子供の世界を広げるためには様々な本が有効です。しかし、実際にどう使えば良いか分からないということもあるかもしれません。今回は、本・図鑑・地図の選び方と効果的な活用方法を紹介していきます。
本の選び方と読み方
本を選ぶときは一部のジャンルが偏らないように気を付けます。好きなジャンルを極めることも良いですが、親の偏見はそのまま子供にコピーされます。子供に与えるのはもちろんですが、親も一緒に本を読みましょう。苦手意識のある分野は、あえて図書館の小学生向けのコーナーにあるようなやさしい本や学習漫画を選びましょう。親自身が様々なことに興味を持ち、知る喜びを見せていくことで、子供も真似をして、知識の広がりを楽しんでくれるようになります。
本から得られる効果
読書は、知的好奇心を刺激して、子供の世界を広げてくれます。そのためにまずは、親が広い視野で世界を見ることが何より大切です。特に、親の影響が大きい乳幼児は、子供が多くのものに触れる機会を作りましょう。良質なインプットは育児にも社会人としても役立つので、子供と一緒に自分の世界も広げていきましょう。
本の効果的な活用方法
知識は本を読むだけで身に付きますが、理解を深めるためには、実体験とリンクさせることが重要です。親になったばかりの頃、育児書を読んで、実行しませんでしたか?子供との生活も同じです。体験して、定着させていきましょう。
本で読んだことを体験する
体験は子供の年齢や興味のありそうなことに合わせます。1〜2歳の小さい子供なら、ご飯の食べ方、トイレの使い方、着替え方、遊び方など身の回りのこと。幼稚園・保育園のへ通う幼児期ならお手伝いや外出のきっかけにするのも良いです。季節やイベントに合わせるのも良いですね。
体験することで、本とは違う結果になることもあるでしょうが、それも経験です。また、なぜ違う結果になったのか考えるきっかけにもなりますし、次の楽しみも増えます。
図鑑を選ぶコツ
図鑑は年齢に合わせて選びます。基本的には、出版社が提示してくれている対象年齢を参考に選べば問題ありません。興味のある分野であれば、レベルアップしても構いません。例えば、息子は電車が大好きだったので、2歳でMOVEの鉄道図鑑をプレゼントしましたが、1年で本がダメになる程、毎日必死に眺めていました。
【0~2歳】乳児期の図鑑の選び方
2歳までなら写真と物の名前だけが載っている、赤ちゃん用の図鑑で基本的な語彙力を増やします。読み聞かせのように親子で眺めていると、次第に「これは?」と教えてほしがるようになります。
【3~6歳】幼児期の図鑑の選び方
3歳以降は図鑑は本格的でやさしいものを選びます。小学館の子ども図鑑プレNEOシリーズや、学研のはっけんずかん、講談社moveシリーズのはじめての図鑑などがオススメです。
【5歳から】小学校低学年までの図鑑の選び方
5歳頃からは、小学館の図鑑neo、学研の図鑑LIVE、講談社の動く図鑑move、ポプラディア大図鑑WONDAなどから、好みのものを選びましょう。付録のDVDや小冊子、紙面のレイアウトなどが少しずつ違います。 シリーズをそろえれば収納に便利ですが、気に入ったものを少しずつ買い足すのも良いです。
図鑑で得られる効果
図鑑を見ていると、大人でも毎回新しい発見があります。見た目の美しさや名前のおもしろさなど、子供が興味を持ちそうなポイントを探します。新しいものを発見した喜びはオーバーリアクションで伝えると良いです。
くらべる図鑑やいちばんの図鑑などの変わり種や百科事典などは、興味のあるジャンルだけに偏らないのでさらにオススメです。
図鑑の活用方法
子供は、興味のあるジャンルの図鑑しか開きません。無駄にしないためには、親が使い方を教えてあげることが不可欠です。どんなタイミングで図鑑が使えるか紹介してきます。
調べものに使う
オーソドックスな使い方ですが、知らない物や気になることを見つけたら、図鑑に載っているか探しましょう。親子でページを見ながら、書いてある情報について話します。
たとえば、公園で拾ったどんぐりには沢山の種類があります。子供がいくつかの種類があることを発見したら、家に持ち帰り、すかさず図鑑で調べます。すると、まだまだ見たことのないどんぐりを発見するので、次回の探し物リストとしてスマホなどで記録しておきましょう。近所にない場合は、どこならありそうか、親子で調べてみるのも楽しいです。
動物園、水族館、博物館などへ行った後にも使えます。図鑑の美しい写真やイラストが思い出を引き出してくれるので、「これはあったね、なかったね」と話しながら、実物では分からなかった特徴をインプットできます。
調べものに使うことを、親子で習慣にしていたら、子供はそのうち、1人でも図鑑で調べられるようになるので、コツコツ続けましょう。
読み聞かせに使う
読み聞かせに使えるのは絵本だけではありません。親子で読みたいページを選んだら、説明を読んであげます。特に、小学館の子ども図鑑プレNEOシリーズなど、「季節」「不思議」「世の中」などと、見開きで1つのテーマが完結するように作られている図鑑は、読み聞かせにも使いやすいです。また、大人も普段意識していないようなことが改めて知れるので、こちらも勉強になります。
地図の選び方
最初は日本地図や世界地図のポスターを、リビングなど、人の集まる場所に貼ります。100円ショップでも売っているので、気軽に取り入れることができます。また、普段から目にすることで、単純接触効果(ザイオンス効果)により、好意的に捉えることができるようになります。
ある程度大きくなったら地図帳をリビングに置いておくと良いでしょう。鉄道好きの子は、日本地図付きの路線図がオススメです。
地図で得られる効果
地図で地名を覚えることは、社会科や地理の土台を作ることです。地形・気候・人口・産業などと繋がり、その積み重ねが歴史になります。日本と世界の違いを知ることもできますし、一般常識に繋がる大事な部分なので、早いうちから触れていくと良いです。また、小学生になると、地図から漢字を覚えることもできるようになります。
地図の効果的な活用方法
地図は貼っておくだけでも地名を覚えるかもしれませんが、親が介入することで、知識を広げやすくなります。特に、漢字が読めるようになるまでは、何度も読んであげましょう。
住んでいる場所を知る
まずは自宅のある都道府県を覚えましょう。親戚が離れてくらしていれば、セットで教えると、日本の広さも分かります。「東京、広島、山形」などと言いながら、日本地図の上を指さしすると、遊びながら場所を覚えられます。
旅行先を知る
旅行や帰省のときは、事前に「●●県へ行くよ」と地図で教えます。どんなルートで行くかも併せて教えましょう。地図帳であれば特産物や名所が載っているので話が広げやすいです。「新潟はお米が有名なんだって。そういえば、いつも食べているお米は新潟県産だね!」「松本城が載っているね。ホテルに泊まった次の日、ここへ行くよ。冬には雪が積もるんだね。」などと話しましょう。
生活の中で見かけた地名を調べる
テレビ、新聞、スーパーのチラシ、食品など、身の回りの物から地名に触れることができます。初めての地名を聞いたら、地図で確認しましょう。
テレビでは、ニュースやバラエティ番組だけでなく、子供向けの番組でも地方コンサートや、世界について取り上げているコーナーがあります。子供が興味を持ってみていた番組を見終わった後で地図を開きましょう。オリンピックやスポーツの大会では、世界中の選手が集まるので、この人はこんなところに住んでいるのかな?と想像するのも楽しいです。
新聞はただでさえ情報の宝庫ですが、地名もたくさんでてきます。大人向けの新聞をうまく解説する自信がなければ、小学生新聞を取るのも手です。内容が分かりやすく説明されているので、そのまま読み聞かせるだけ解説までできます。
スーパーの食品コーナーは地名の宝庫で、特産物と一緒に覚えられます。子供が好きな食べ物がどこで作られているか見てみましょう。野菜や果物だけでなく、お菓子やデザートの製造元を見るだけでもOKです。
まとめ:親子で本を楽しもう!
本・図鑑・地図はそれぞれが素晴らしいものですが、置いておくだけでは子供は賢くなりません。年齢に合った絵本はもちろんですが、親子でページをめくることで、より有意義な時間を手に入れましょう。