- 私立中学に通わせたいけど教育費が足りるか不安
- 年収いくらなら通えるのか知りたい
- 公立か私立か迷っている
私立中学に通わせて思春期に過ごす環境を整えたい!と思う家庭も多いでしょう。しかし、私立と言えばお金が掛かるイメージが強いでしょうし、実際に公立中学と比べて3倍というお金が必要です。

子供の将来のために私立中学に通わせたいけど、いくら貯めたら良いの……?
こんな悩みを解決できる記事を用意しました! 記事前半では中学から私立に通った場合の教育費について、後半ではどのぐらい貯める必要があるかを解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
私立中学3年間でかかる教育費は423万円!
私立中学 | 公立中学 | |
---|---|---|
1年 | 1,642,661 | 456,582 |
2年 | 1,230,122 | 436,183 |
3年 | 1,362,389 | 569,348 |
合計 | 4,235,172円 | 1,462,113円 |
文部科学省が平成30年度に行った子供の学習費調査によると私立中学に3年間通うと423万円が必要です。内訳は学費などが320万円、塾代などが100万円でした。入学金や制服を準備する初年度は164万円と一番お金が必要です。また、入学前の中学受験には約300万円かかることも忘れてはいけません。
私立高校の教育費は290万円?
中学受験を考える場合は、中高一貫校の学習環境に惹かれてということも多いでしょう。つまり高校も私立へ行くということです。では、私立高校の費用はいくらになるのでしょうか?
学習費総額 | 学校外活動費 | |
---|---|---|
1年 | 1,160,016 | 203,683 |
2年 | 893,127 | 232,302 |
3年 | 851,087 | 318,562 |
合計 | 2,904,230 | 754,547 |
先ほどと同じく、文科省の子供の学習費調査から私立高校の教育費を引用しましたが、一点注意があります。私立高校に通う家庭の中には、国や自治体から学費の補助を受けられる家庭も多いです。通学先や給付状況によって必要額が大きく変わる可能性もあるので、おすまいの地自体の補助制度についても知っておきましょう。
私立高校の学費補助制度について

私立高校に通う場合、国から高校進学等就学支援金が対象になります。年収約590万円までの家庭は最大396,000円、年収約910万円までの家庭は最大118,800円の授業料が補助されます。
さらに自治体によっては、独自の補助制度を設けている場合があるため、該当するとかなりの支出を抑えることができます。そこで自治体ごとの補助額と世帯年収の目安をまとめてみました。
居住地 | 年間学費補助 | 入学金補助 | 世帯年収目安 | 県外への進学 |
---|---|---|---|---|
東京 | 461,000 | なし | 〜910万円 | 補助対象 |
神奈川 | 440,000 | 100,000 | 〜750万円※1 | 対象外 |
埼玉 | 596,000※2 | 100,000 | 〜750万円※1 | 対象外 |
千葉 | 345,600※2 | 150,000 | 〜750万円※1 | 対象外 |
大阪 | 600,000※2 | なし | ~800万円 | 対象外 |
兵庫 | 408,000 | なし | ~910万円 | 一部対象 |
ここで注意すべき点は、年収によっては全額自己負担になる場合があったり、年収要件は満たしていても県外の学校に通うために自治体の補助が対象外になったりする家庭もあるということです。その一方で、子供が2人以上いる場合は補助額が増えたり、入学金の補助が出たりすることもあります。
一般的に、中学受験ができる家庭は世帯年収が高いため、補助が受けられないケースもよくあります。教育費を計算するときは、今の世帯年収から補助が受けられそうかも併せて確認しておきましょう。
大学の学費は?
授業料+施設設備費 | 入学金 | 初年度合計 | |
---|---|---|---|
国立大学 | 535,800※ | 282,000 | 817,800 |
私立文系 | 963,341 | 225,651 | 1,188,992 |
私立理系 | 1,315,233 | 251,029 | 1,566,262 |
私立医歯系 | 3,214,261 | 1,076,278 | 4,290,539 |
私立その他 | 1,204,776 | 969,074 | 2,173,850 |
国公立大学の学費は学部に関わらず年間535,800円です。しかし、私立大学では学校や学部によって大きく変わります。文系であれば、国公立との差も小さいですが、医科歯科系は約5倍です。

私立の医学部に行くだけで、もう1人私立に行かせられちゃうよ
また、下宿する場合は、学費とは別に月10万円ほどの仕送りが必要になるため、住んでいる地域によっては、仕送り代も検討しておきましょう。
教育費の目安を計算してみよう
小学校から大学まで、すべて公立へ通った場合に必要な教育費は約712万円、すべて私立の場合は文系の学部に入っても2078万円です。公立小学校から中学受験をして、中学から大学まで私立だった場合も、約1,611万円必要です。
私立 | 公立 | |
---|---|---|
小学生 | 959万 | 192万 |
中学受験 | 300万 | 300万 |
中1 | 164万 | 45万 |
中2 | 123万 | 43万 |
中3 | 136万 | 56万 |
高1 | 116万 | 50万 |
高2 | 89万 | 46万 |
高3 | 85万 | 40万 |
大1 | 118万 | 81万 |
大2 | 96万 | 53万 |
大3 | 96万 | 53万 |
大4 | 96万 | 53万 |
中学受験をするなら教育費は年138万貯めよう
公立小学生から中学受験をして、私立大学の文系に進んだ場合の教育費総額は2,078万円でした。大学4年の時点では貯める時期は終わっているので、小1から大3までの15年間で貯める必要があります。つまり、年間138.5万円、月額11.5万円を教育費として残しておかなければいけません。
年収目安は700万円?
年間138.5.万円貯めるためには、年収いくらぐらいなら可能でしょうか?子育て世代の貯蓄額は手取りの2〜3割と言われています。家族構成や住宅ローンの状況にもよりますが、計算上では手取りで460万円程から可能ということになりますが、教育費以外にも急なお金が必要になる可能性を考えると、手取り500万、額面上の年収700万円程は必要でしょう。
教育費を節約する方法は?
子供の可能性は絞り込みたくないですが、費用は抑えたいのが本音です。では実際に節約する方法を紹介していきます。
塾や進学先の特待生を狙う
- 日能研
- 早稲田アカデミー
- 臨海セミナー
中学受験を考える場合、塾や進学先の特待生になると学費が免除になる場合があります。ただしこれは、子供が優秀な上に、行きたい学校に特待生制度があることがポイントです。
小5から塾に通う
トップ校を狙わなかったり、家庭学習をきちんとする子の場合、通塾を5年生、正確には4年生の2月からにするという手もあります。塾に聞いたら早い方が良いと言われるでしょうが、あらかじめカリキュラムを聞いておいて入塾までに家庭学習を済ませておくという方法もあります。
オンライン授業を利用する
四谷大塚の進学くらぶや、浜学園のWebスクール、日能研関西のWeb教室は自宅にいながらにして注意受験の勉強ができます。授業やテキストは通塾コースと同じものなので、塾代を抑えながらハイレベルな家庭学習ができるため、教育費を抑えたい家庭にはぴったりです。
ちなみに、東進オンライン学校 小学生も四谷大塚系列ですが、こちらは中学受験向きではありません。ただ先取り学習で先へ進めるには良いので、低学年のうちの利用にはオススメです。
中3〜高2までの収入を減らす
これはよく計算してから実行してほしいのですが、共働き家庭の場合、収入を減らすことで私立高校の学費給付要件を満たす場合があります。パートで働きに出でいるなど、減らしやすい環境かつ、生活に困らないようであれば一時的に収入を減らして、補助を受けるようにするのも手です。給付は住民税の課税額で要件が決まるため、高校に入る前の1年間から、つまり、中学2年の1月〜高校2年の12月までの収入を抑えましょう。
教育資金を増やすことも考えよう
教育費を減らすのが難しい場合は、増やすことも検討しましょう。単純に収入を増やすのであれば、専業主婦から働きに出たり、転職を検討したりするのもありです。
自分ではこれ以上働けないという場合は、投資をしてお金に働いてもらうという方法もあります。例えば、毎月11.5万円ずつ投資をしていて、利回り3%で運用できたとすると、12年半ぐらいで目標の2078万円を貯めることができます。
もちろんこれは想定の数字ですし、途中で支払う金額もたくさんあるので教育費を運用し続けるわけにはいきません。ただ、いつでも引き出せるため、貯金の代わりに投資で増やしていくという選択肢は残しておきたいです。
子供の将来へ投資しよう
子供が小さいうちは将来どんな学校に行くか想像できません。親としては選択肢を狭めたくないので、きちんと提示することは忘れずに、いざというときのためにしっかりと資金を貯めておきましょう。